ならず者国家の集合になっていく世界

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  • 更新日:2020/04/25
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新型コロナウイルス問題で、アメリカが医療用マスクを買い占めしていることが問題になっています。

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中国など国外で生産されているマスクについて、すでに別の国から買い手がついているにも関わらず、発送直前にアメリカに輸出先が切り替えられるということまで起きています。

米国業者が3倍の価格を提示して「強奪」しているそうです。確かに、3倍の価格であれば、既に成立している契約を破棄して違約金を支払ったとしても、輸出業者の儲けは増えるでしょう。

札束で顔をひっぱたくやり方がトランプ流というか、買う方も買う方ですが、売る方も売る方です。

また、なんと冷戦時代に成立した「国防生産法」を持ち出して、アメリカ国内で生産されている「国産品」の輸出を停止しています。

これに関し、例えばマスクが国外向けの荷物に含まれている場合、出航直前に港で押収するそうです。

アメリカのマスクの生産者である3Mはこれに反発、同社はカナダ向けの消費の大半を製造しており、この措置は非人道的であると非難しています。

アメリカのこの動きに他国も追随し始めています。ドイツやフランスが、自国を経由してスウェーデンやイタリアなど他国に輸送されるマスクを、中継中に押収したり差押えしたりしていると言うのです。

これらの一連の動き、特に先発するアメリカの対応を見ていて思うのが、アメリカと中国の「同質性」です。

自国が、もっと正確に言えば為政者が良いと思えばなんでもあり、「国益」のためには他国の利益はおろか、個人の利益も斟酌しない、そんな状況になっているように感じます。

もともと、アメリカの体制は大統領の力が強いため、全体主義だろうが個人主義だろうが、大統領自身の采配によってある程度コントロールが制度上は可能です。

だから、大統領にはそれだけの能力と自制が求められるはずなのですが、残念ながらこの「非常時に乗じて、ならず者国家と化していく」動きはしばらく収まりそうにはありません。

たくさんの人が血を流してようやく勝ち得た民主主義が、いかに微妙なバランスの上に成り立っているかを考えさせられます。