マンションの修繕積立金に関するガイドライン

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  • 更新日:2021/12/11
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国土交通省がマンション管理に関する様々な文書を出しているのですが、その中で、

マンションの修繕積立金に関するガイドライン

という文書が最近(2021年9月)改定されました。

マンションの修繕積立金に関するガイドラインとは

このガイドラインは、もともと2011年に出されたもので、分譲マンションの良好な資産価値の維持・向上を図るための基本的知識や修繕積立金の目安を示すガイドラインとして出されています。

初版から10年経ち、社会状況などが変化したためにこのたび改定されたものです。この間、マンションの総数も562万戸から675万戸に、居住者数も1,400万人から1,573万人に増えています。

何が変わったか

詳しい変化については新旧対照表が出ているのでそちらをご覧いただくとして、ここではその概要について説明します。

大きく、

  • 序文
  • 修繕積立金の目安
  • 機械式駐車場がある場合の必要金額

の3点が変わっています。

序文については、これまで随時見直すこととなっていた大規模修繕に向けた適切な長期修繕計画の見直しを、5年ごとに行うこととなりました。マンションが長寿命化していることに向けた対応で、より明確な指針になったと言えるでしょう。

また、初版のガイドラインでは、その想定読者が主に新築マンションの購入予定者だったのが、今回はそれに加え、既存の所有者や中古の購入予定者においても参照することができるようにすることを目的としています。これも、中古マンションの流通が活発化していることに対応するものと言えます。

修繕積立金の目安については、一言で言うと大幅な上昇になっています。

目安はマンションの面積や階数によって変わるので一律ではないのですが、例として「20階未満、延べ床面積20,000m2以上」という大規模マンションについて見てみます。低層で、およそ250戸以上(一室80m2と仮定)あるマンションが該当します。

従来、この規模のマンションの場合の修繕積立金の平均額は178円/m2・月でしたが、255円/m2・月に上昇しました。80m2の面積の部屋であれば、月の修繕積立金の目安は14,240円だったのが、20,400円になったということになります。46%の上昇になります。

一般にマンションの修繕積立金は築浅の時は安く、築古になるにつれ上昇しますし、不動産は個別性が高いのでこの平均を全てのケースに当てはめることはできませんが、上昇基調にあると言うことは理解しておいたほうが良いでしょう。

さらに言うと、この規模のマンションは一番修繕積立金が安くなるパターンです。これが5,000m2未満(一室80m2で約60戸程度)だと335円/m2・月となり、80m2の面積の部屋の修繕積立金の目安は26,800円となります。また、20階以上のタワマンの場合は338円/m2・月となり、80m2の面積の部屋の修繕積立金の目安は27,040円となります。

renovation1.png出典: マンションの修繕積立金に関するガイドライン

機械式駐車場についても変更が行われています。こちらは全体的に下降になっています。

機械式駐車場はそのタイプによってメンテナンスにかかる費用が変わります。たとえば、地上階と、その上下に1段づつの駐車スペースがある「3段、ピット1段昇降横行式」の場合、8,540円/台・月から7,210円/台・月になりました。およそ15%の下落です。

単純に言えば、このスペックの駐車場を持つ物件であれば、月に集める駐車場代の1台分あたりの平均が7,210円以上であれば、修繕および入れ替えに必要な費用を賄える計算となります。

renovation2.png出典: マンションの修繕積立金に関するガイドライン

他にも、修繕積立金の積立方式や、実際に大規模修繕工事を行う際には仕上げ材や設備の仕様によって費用が変わること、また地域によって労務単価が変わるので考慮する必要があるなど、長期修繕計画を行う際に実践的に使えるガイドになっていると思います。

なお、マンション管理に関しては標準管理規約というのも2021年6月に改定されています。

マンションの管理組合の役員をやられている方は、この機会に国土交通省のページを見てみると良いかと思います。

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