立地だけではない! 今後マンションの価値はこう決まる

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  • 更新日:2021/11/20
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不動産(ここではマンション)は「資産」である、と言われますが、こと自宅に関してはそれはYesでありNoです。

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マンションは資産なのか

ロバートキヨサキのベストセラー「金持ち父さん貧乏父さん」では、以下のように言っています。

この本自体には賛否あるでしょうが、つぎの言葉(定義)は真実だと思います。

あなたのポケットにお金を入れてくれるものが資産

あなたのポケットからお金を奪っていくものが負債

不動産は人に貸すことであなたのポケットにお金を入れてくれるものもあるでしょうし、自分が住むことでお金が取られるものもあるでしょう。

ここでは不動産投資の話ではなく、自分が住む不動産についての話です。

自分が住む(居住用の)マンションは、毎月の管理費、修繕積立金、固定資産税と、あなたのポケットからお金を奪っていく存在です。

では、居住用のマンションは単に負債なのでしょうか。

というと、そうでもないと思います。

特に、近年は都心などでのマンション価格の高騰により、買った価格より高い値段で売れた、という話もよく聞きます。

価値を考えてマンションを購入し、自身で居住し、いいタイミングで売却する。

これはれっきとした「キャピタルゲイン投資」です。

そのマンションは、売却という手段を通して、あなたのポケットにお金を入れてくれる「資産」なわけです。

高く売れるマンションと売れないマンションの差

そうなると、「高値で売れるマンション」と「安くしか売れないマンション」の差が出てきます。

マンションの価格は何で決まるかというと、その最たるものは立地です。

人気のエリア、ターミナル駅が近いなど交通利便性がよい、周辺環境が良いなどです。

「不」動産と言われるだけあり、建ってしまったマンションの立地は動かせません。

ただ、現在立地が良いところが、未来永劫立地が良いとは限りません。

マンションではないですが、高級住宅街で知られる田園調布という街があります。

ここは近年価格が下落しています。

理由は、元の価格が高すぎる、一定以上の面積以下には土地を分筆できないなど、いくつかあります。それらに住民の高齢化があいまって不動産資産としては下落してしまっているのです。

同様に、「ニュータウン」と言われた街の凋落もあります。

有名どころでは、多摩ニュータウン。

多摩ニュータウンも50年前の多摩市永山から開発が始まり、現在も稲城市南山で開発が続いていますので一括りには言えませんが、最も古い永山は住宅価格の下落が著しいです。

ですので、現在飛ぶ鳥を落とす勢いの街、たとえば武蔵小杉や豊洲なども、その価値が未来永劫続くとは考えないほうがいいでしょう。

すると、立地以外のマンションの価値とは何か、ということにもなってきます。

それはマンションの内部ということになります。

マンション内部は、ハード面とソフト面があります。

ハード面とは、建物の作り、面積とか間取り、日当たりなどといったことです。

この辺りは経ってしまってから変更するのは難しいものもあります。

ただ、間取りはいくらでも変えられますし、面積ですら団地で「ニコイチ」をしている例などもあり、まったく手が出せないということはありません。

むしろ、自分の努力ではどうにもならない「立地」などよりよっぽどコントロール可能です。

そのコントロールには、管理組合の努力が欠かせません。

ソフト面は、管理や修繕です。

前回書いたように、マンション管理業界が今後大きな変革を迎えます。

「管理を断られる」マンションも出てくる中、自分のマンションの管理をいかに良いものにしていくか、区分所有者の力が試されています。

また、管理費や修繕積立金が高すぎるマンションも敬遠さて、資産価値を下げるでしょう。

ちょっと例が違いますが、越後湯沢や伊豆、那須、軽井沢といった別荘地のマンション物件が10万円とかの安値で売られています。

これらの物件がなぜこんなに安いかというと、温泉や共用部分のメンテナンスのために管理費が非常に高く設定されているためです。

物件がバブル時期に建造され、所有者の高齢化などで住む人が少なくなり、滞納なども相まって管理が行き届かなくなってきているという事情もあります。

これは極端な例ではありますが、ランニングコストが高すぎると、住むには厳しくなります。

修繕積立金も、日本中のマンションで積立不足です。

この辺りの事情は別途書きますが、結論だけ言うと日本の多くのマンションは「実質財政破綻状態」にあります。

修繕積立金を大幅値上げせずに2回目以降の大規模修繕工事を乗り切れるか、という質問に明快な回答ができないマンションは今後価値を下げるでしょう。

自分のマンションの資産価値向上をしよう

近年、大手デベロッパーのマンション建築が減速しています。

この理由は、特に都心におけるマンション価格が高騰しすぎて買える層が少なくなっていることが大きな原因です。

ただ、今後確実に新築は減っていきます。

人口が減っているので当然です。

すると、築年ではないところでマンションの価値を比べられる場面も増えてくるということです。

そこで「選ばれる」マンションになるかどうかは、区分所有者である皆さんにかかっているわけです。

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