銀行と鉄道会社の奇妙な一致

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  • 更新日:2020/12/12
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三井住友銀行が手数料を大幅値上げしたことが話題になっています。

具体的には、2021年4月1日以降に新規開設する普通預金口座において、通帳の発行には年額550円。

また、ネットバンキングを使わず、2年以上入出金がなく、かつ残高が1万円未満の場合に限りますが、口座維持手数料として年額1,100円を徴収するとのことです。

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手数料マシマシの流れ

オンライン化自体は時代の流れですし、それに逆行することに手数料を課すこと自体は自然ですし、特に不思議とは思いません。

世界的な流れでも、口座維持手数料を課すのは普通です。

私が持っているイギリスの銀行口座は、2500ポンド(34万円あまり)を一瞬でも下回ると、月に20ポンド(2,700円あまり)取られてしまいます。

また、インターネットバンキングが今ほど普及していなかった少し古い時代ですが、アメリカにいた時の経験では、銀行で"Teller" (有人窓口)を使うと、それだけで結構な手数料を取られました。基本的にATMを使って欲しい、ということです。

アメリカは当時チェック文化でしたが、それも封筒に入れてATMに入れらるようになっていました。

2年以上ほったらかしの口座で1万円未満の残高ということは、すでに持ち主も忘れかけている口座である可能性が高く、今の所は休眠口座の排除以上の意味を持ちません。

ただ、前述のように口座維持手数料や各種手数料が当たり前の流れでは、この条件もだんだん厳しくなっていくことが容易に想像できます。

なんかデジャブ

ところで、この動き、何かに似ていると思いました。

利用者が少ない鉄道路線です。

利用者が少ない鉄道路線は、利潤を確保し運行コストを下げるために運賃を上げたり、運行間隔を間引いたりします。

そうするとどうなるか。

利用者には車や鉄道など様々な移動手段があります。

そのような中で、鉄道の運賃が上がり、運行数が少なくなるとどうなるか。

路線は廃止に一歩一歩近づいていってしまします。

もちろん人口減少などの環境要因もありますが、作りすぎ、そしてジリ貧に陥った鉄道がどうなっていったか、歴史が証明しています。

銀行も、手数料を導入するのは構いませんが、新しい時代に脱皮しサービスを拡充していかないと、この鉄道と同じ轍を踏むことになるのではないでしょうか。

競合はいくらでもいるのです。

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