クリックしてみた!これが騙しの手口!

みなさん、騙しサイトへの防御は万全ですか?

騙しサイトの技術は日夜進歩しているわけですが、私もタイミング悪く騙されそうになりました。

scam.jpg

それはある日一通のメールから

そのメールには、こう書いてありました。

「承認の保留中の払い戻しがあります」

たまたまその時、私は本当に払い戻しの案件を抱えていました。

fraud6.png

払い戻しを受ける銀行は三菱UFJではないのですが、「支払い元が三菱UFJかもしれない」と思い、ついリンクを開いてしまったのです。

このリンクは24時間で有効期限が切れます。」なんて言われたら、誰だって焦りますよね?!

こんなことが起こった

リンクを開くと、次のような画面になりました。

fraud1.png画面は三菱UFJニコスのそれに見えます。特に変なところはありません。

ただし、画面の外、アドレスバーのところを見ると、「三菱UFJニコス」を彷彿とさせるものではなく、知らないサイト名でした。とはいえ、暗号のようなサイト名でもなく、注意して見なければ見過ごしてしまうかもしれません。

ここでどれかのカードブランドをクリックすると、次のような画面になりました。

fraud2.png追加確認事項、とのことです。

ID、パスワード、カード番号、有効期限、CVV番号を入力させています。

パーフェクトですね。これだけ入力すると、クレジットカードは使いたい放題になります。

ご丁寧に「ID・パスワードをお忘れの方」というリンクまでありますが、こちらをクリックすると、ID紹介の画面に飛びます。

fraud3.pngこちらの画面、よく見ると正規の三菱UFJニコスのサイトです。アドレスバーに「Mitsubishi UFJ NICOS CO., Ltd.」と出ており、文字も緑色です。

緑色の文字は"EV (Extended Valudation) SSL証明書"といい、厳格な審査を経たサイトのみが発行を許可されるものです。そのため、こちらは正規のサイトと考えることができ、安心できます。

一方で、最初の2つのスクリーンショットで出てきた画面はアドレスバーの文字が白色であり、普通の証明書であることがわかります。いまどきどこのサイトもSSL証明書そのものは使うので、単にSSLになっているから安心、というわけにはいきませんね。

一方で、「ログインに関するよくあるお問い合わせ」をクリックすると、次の画面が出てきます。

fraud4.png

こちら、三菱UFJニコスの正規のサイトのヘルプなのですが、アドレスが"mun-d.custhelp.com"となっています。あまり正規っぽくない。

別にこのサイト名を見て三菱UFJニコスを彷彿とさせるってほどでもありません。

実際にはこちら、Oracle Cloudのサーバを使ったサービスのようです。外部委託しているってことでしょうか。

先ほどの怪しいサイトと同じレベル感で出てしまうので、先ほどの怪しいサイトも「まぁこういうサイト名での表示もあるかもしれない」と思えてしまいます。むしろ先ほどの騙しサイトの信頼性をどことなく上げてしまう、残念な結果になっています。

Firefoxは騙しを検出する

なお、同じサイトをFirefoxで開くと、次の画面のようになりました。

fraud5.png「騙しサイトがあるよ〜」と警告してくれています。

Safariも何とかして欲しいナァ。

騙されないために

変なメールのリンクは開かない、添付は開けない、「おや」と思ったらプライベートブラウズ、は鉄則です。そのために、リンクを直接クリックするのではなく、「リンクをコピー」して、プライベートブラウザでリンクを開いています。

最初のメールも、よくよく見れば

  • 本文中に私の名前がない
  • 送信者が"Mitsubishi UFJ Financial Group"、奥付に書いてあるのが"Mitsubishi UFJ NICOS"と会社名が違う
  • なんのためにフォームに記入する必要があるのか、説明がない

など、怪しい点はいろいろあります。

とはいえ、今回のように「たまたま」このようなメールが言っていることと同じ案件を抱えている、ということもあります。「ああ、あれね」と早合点して入力してしまわないとも限りません。

今回私は上記の「私の名前が本文に書いてない」ところから怪しいと思いましたが、正直100%騙されない自信はありません。

タイミングがいいメールにも注意しなければならないなんて、何を信用すればいいのやら。

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