なぜイギリス人は信号を守らないのか

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  • 更新日:2017/02/23
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イギリスから日本に引っ越して2年が経った時点でも、道を歩いていて未だに違和感を感じていたのが信号機です。

なぜなら、イギリスの信号機には青(緑)、黄色、赤の3色に加え、紫色があるからです-などということはなく、色は一緒なのですが、なんか日本の赤信号の時間がイギリスのそれに比べて長いような気がしてなりません。青になるまで待つのが苦痛です。

歩車分離が徹底している

日本とイギリスの信号(交差点)の違いとして大きいのが、歩車分離が徹底していることでしょうか。

イギリスでは日本のように歩行者と車の信号が同時に青になったりしません。横断歩道の信号が青になるときは、その横断歩道に青で進入する車はありません。かならず横断歩道の手前に信号があり、それが赤になります。

逆に、歩行者信号は待っていても青にはならず、ボタンを押す必要があります。歩行者がいなければ横断歩道はいつまでも赤にしておき、歩行者が道路を渡るときは車を止める、というロジックです。

日本は同方向の車の信号と歩行者の信号が同時に青になりますね。どちらがいいか一概には言えないでしょうが、イギリスでは横断歩道の信号が青の時は車が来ない、という安心感はあります。

その代わり歩行者の青信号の時間は短めです。お年寄りの方など、青の間にわたりきれない方もよく見かけます。青の時間が終わり、全消灯または赤点滅(日本でいうところの歩行者信号の青点滅)の状態になると、車道の信号が黄色の点滅になり、横断歩道に歩行者がいなければ車は進行できます。

車にとっては、赤信号でもそれほど待たなくていいのです。

守られない信号

もう一つ違いとして感じられるのは、歩行者の信号に対する感覚です。

イギリスをはじめいくつかのヨーロッパの国では、歩行者が赤信号をあまり守りません。

赤信号でも車が来なければどんどん渡っていってしまいます。ロンドンの中心地で律儀に信号を待っているのは日本人くらいかも。

traffic-light-red.jpg

あと、横断歩道以外での横断(jaywalking)をする人も多いです。

私が住んでいた所の近くにSouthall(サウソール)という地区があります。ここは大きなインド人コミュニティがあるのですが、斜め横断する人が大勢いるので、地区を横断する幹線道路(Uxbridge Road)を車で走るときはいつも気を付けなければなりません。

特に、ディワーリ(Diwali)というインド歴の新年の際は、路駐と横断者で道がふさがれ、車がほとんど進めなくなります。一度間違えてディワーリの夜にサウソールに来てしまい、とんでもない目に遭いました。

あれ?イギリスでは赤信号を守らずどんどん渡るから、赤信号の時間が短い気がするのかな?

イギリスの法律に秘密が

ちょっと調べると、イギリスでは、横断歩道などを除き、公的に車と歩行者のどちらが優先されるか規定していないそうです。

イギリスの交通ルールであるハイウェイコード(The Highway Code)では、道路を渡るかどうかの判断を歩行者自身に委ねているそうで、歩行者に回避義務はなく、ドライバ側が事故防止に努めなければならないそうです。

そんなことも、日本とイギリスの「交差点文化」の違いに寄与しているのかもしれませんね。



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