アナログ幼稚園の不思議:幼稚園のダークサイド

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  • 更新日:2018/10/06
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学校という組織は近代化やIT化が遅れているとは聞きますが、私も子供が幼稚園に行くようになってその遅れを痛感するようになりました。

そんな幼稚園ももう卒園してしまいましたが、現場の担任の先生はとてもいい方達でした(以下に出てくる「先生」とは、担任を持たない先生です)。

kindergarten.jpg今回はそんなアナログ幼稚園の不思議についてお伝えします。

「費用」の不思議

幼稚園の保育料というのは、一か月いくら(3万円くらいです)を銀行から引落しなのですが、なぜか特定の銀行特定の支店から引き落とすのが条件です。違う銀行からの引き落としや振り込みは受け付けてもらえませんでした。

よって、その幼稚園に入るためには、その特定の銀行の特定の支店に口座を開かなければいけません。そのためだけに電車を乗り継いで支店に行ったものです。

幼稚園では毎月の費用のほかに、給食代などさまざまな料金がかかります。その料金は、毎月決まった日に、おつりのないように正確な額を専用の袋に入れて持たせなければいけません。

給食代だけならまだいいのですが、他にも絵本代や延長保育代があります。それらはそれぞれ別の袋にそれぞれおつりのないように用意しなければいけません。そのため、うちでは専用の小銭入れを用意し、小銭を貯めるようにしました。普段買い物をする時にカード払いが多いため、現金は意識して貯めていかないと用意できないのです。

何でもインターネットで購入できるこの時代、ここまで前時代的なのに驚きました。

ちなみに後述の写真を業者から買うときは、専用のパスワードをもらい、業者のWebサイトで見本を見られるのですが、不思議なことにそこでWebショッピングのように買うことはできません。

申し込み用封筒に番号を書き、合計額をこれまたおつりのないように用意しなければいけません。さらに、これは幼稚園でなく業者扱いのせいか、特定の日に幼稚園に持参する必要があります。

「写真撮影」の不思議

その写真がまた面倒です。

幼稚園で行われる行事については、基本的に撮影業者が入っており、写真を撮っています。

親が参加できて写真が取れるときもあるのですが、写真撮影が禁止されるものもあれば、親が参加できないものもあります。その場合、業者の写真を買う以外に写真を手に入れる手段がありません。

業者の写真は1枚150円から。プリントしか買えず、データをもらうことはできません。

こんなことがありました。

学芸会の日。 終了後ステージで写真撮影があるというので、親は客席で待ってくださいと言います。

子供たちがステージに上がり、ステージの緞帳がいったん下ろされました。ステージの上に並んでる姿を撮影できると思い、待っていました。

すると、ずいぶん待たされて「終了しました」と言います。

あれ?

何かと思ったら、緞帳を下ろしたままステージの中で業者が撮影をしたようです。

そういえば、アナウンスが「ステージので撮ります」でした。なぜ「ステージの」と言わなかったのか不思議でしたが、こういうことでした。

「月曜日は休日」の不思議

幼稚園では運動会や発表会などの様々なイベントを土曜日にやることが多くあります。

すると、代休として月曜が休みになります。

そのほかにも、父母会のイベントや先生の研修など、様々な理由で土曜日に幼稚園が営業します。

そんなときも、次の月曜は休みになります。この場合は子供が土曜日に参加しているかどうかは関係ありません。

あまりに月曜日に休みが多いので、我が家では「幼稚園とは週休3日であるもの」という認識です。月曜日は両親のどちらかが家にいられるようにしておく必要があるのです。

「袋」の不思議

幼稚園には、他にもいろいろ不思議なことがあります。特に、さまざまな「決まり」と、決まりまでではない「不文律」に関してです。

幼稚園への持参物は箸やコップ、上履き、体操着などいろいろあるのですが、これらすべてに対しことごとく専用の「袋」を用意する必要があります。

給食袋、絵本袋、箸袋、コップ袋、上履き袋、体操着袋など...。

これらの袋ですが、スーパーのビニール袋など許されません。いや、許されるのかもしれませんが、やっている人は見たことがありません。布袋です。

しかも、自分で縫わなければダメ、買ったらダメだと言うのです。ダメと言っても明確に規定されているわけではなく、実際に買ったものを持っていくと「〇〇ちゃんのお家は袋を作っていない」と陰で言われてしまいます。または、言われてしまうかもしれないプレッシャーに負けてしまいます。また、実際問題として規定されているサイズが厳しく、運良く販売されているもので見つかることが少ないのです。

我が家では買ってきましたが...。賢い人は代行サービスを使っています。

「延長保育」の不思議

もう一つ。延長保育というのがあります。都合により通常の降園時間よりも遅い時間に子供を引き取りたい場合の制度です。この制度を使うためには、親が「仕事の都合で」通常の時間に子供が引き取れないことを理由に書かなくてはいけません。

さらに、延長保育が多いと、「親が子供をちゃんと見ていない」と先生に嫌味を言われます。

親が直接言われる分にはまだいいのですが、先生から子供に「○○ちゃんのお母さん(ここは常にお母さん)はお仕事ばかりで延長するなんて(よくないことだよ、というニュアンス)」と言われます。親と会う機会が少ないとはいえ、子供に嫌味を言うのは参ります。

「プリント」の不思議

イベントの連絡など、子供が幼稚園からよくプリントをもらってきます。

paper.jpg

このプリント、バラバラと散発的にやってきます。たとえば、発表会があるとすると、当日の1ヶ月前くらいから6〜7回に分けて子供がプリントを持ち帰ります。

これらの情報がまたバラバラです。前にもらったプリントとつき合わせて、情報を自分でつなげないといけません。

たとえば、

「服装について再度確認をお願いします。」

と書いてあるプリントがあるとすると、そのプリントには服装がなんなのかは書いてありません。以前にもらった別のどれかのプリントに書いてあります。なので、以前のプリントは揃えておかなければいけませんし、新しいプリントをもらう度に以前のプリントとにらめっこです。

プリントの紙の大きさも不思議なことにバラバラです。

発表会の例でいうと、

B4, B5, A4, A5, 独自

という5種類の大きさの紙が使われていました。ファイルしにくいったら!

「親=お母さん」の不思議

参観日など、幼稚園に親が行かなければならない時があります。

このとき、案内プリントには「親御さん」ではなく常に「お母さん」と書かれていました。

たとえば、「当日は、園バスが出ませんので、お母さんと一緒に登園をお願いします」など。

ご家庭によってはお父さんが主夫をしていて子供の世話を主にしていたり、両親が働いていて(またはシングルペアレントで)祖父母が子供の面倒を見ていたりする例もありましたが、そういう方たちがプリントや、当日のアナウンスなどで顧みられることは一切ありませんでした。一度もです。

「父母会」の不思議

父母会というものがあり、強制加入でした。毎月なにがしかの会費を払わされます。

なんに使われるのかなと不思議に思っていました。

あるとき、ひょんなことから(じゃんけんに負けて)父母会の役員をやらされました。

この幼稚園はある大学の附属幼稚園なのですが、大学側の父母会で役員が食事会やら旅行やらしており、その会費が父母会費から出ているようでした。

幼稚園は「下っ端」なので、そのようなイベントに参加することはほとんどありませんでした。誘われても行きたくありませんが...。

不思議だらけの幼稚園

そんなこんなでアナログな幼稚園は不思議なことが多いのですが、だからといってそれに逆らって自分流を通してはいけません。

だいたい、他の人と違うことをすると、園側から「おかしな人」と目をつけられてしまいます。それで迷惑をこうむる(具体的には、上記のように嫌味を言われます)のは他でもない子供です。おとなしく従っていなければいけません。

おっと誰か来たようだ。

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