「優秀な人」の罠!同僚に知られずにこっそり出世する方法

  • 投稿日:
  • 更新日:2015/06/14
  • by
  • カテゴリ:

刺激的なタイトル

なんとなくタイトルに釣られて買ってしまいました。2015年4月発行の新刊です。

原題は"Stealing the corner office"、「役員室を盗み取る方法」とでも訳せばいいでしょうか。

大体200ページ。本文中にもありますが、ゆっくり読んでも2日あれば読み終わります。

中身も刺激的だが...

導入はある意味かなり突飛です。

いきなり、世の中の会社役員は無能だといい切ります。世の中のビジネス書にあるいろいろな教訓、たとえば「勤勉」「情熱」などは出世するのに何の役にも立たないと説きます。

著者が愛情をこめて「無能なエクゼクティブ」と呼ぶこのような人たちは、しかしなるべくしてエクゼクティブになっているのだといいます。そのために必要なのは上記にあるようなビジネス書に書かれているような能力ではなく、本書の言い方とは違いますが誤解を恐れずいえば「世渡り」である、ということです。

実例に基づくケーススタディ

そして、それをクリアに示すケーススタディが7つ、きわめて具体的に、著者の経験も交えて書かれています。このケーススタディは「優秀なマネージャ」がその能力を発揮してうまくいかなかった(最悪クビになった)例と、「無能なマネージャ」がうまく立ち回ってその出世階段を上る例を対比してあり、世の中の「優秀な人」にとっては身につまされるものとなっています。

実は、これらのケーススタディを実際に読み進めてみると、私の読み取った限り、

  • 柔軟であれ
  • 変化に対応しろ
  • 根回ししろ
  • 専門を一つに絞るな
  • 感情に流されるな
  • 大きな成果を狙え
  • 戦略を持て
  • 学習しろ

など、きわめて納得度の高いことなのです。しかし、その「うまくいかなかった優秀なマネージャ」と「うまくやった無能なマネージャ」を対比して書かれると、う~んと唸らざるを得ません。

耳の痛いアドバイス

正直言って読んでいて自分が「優秀なマネージャ」の罠に嵌っているということがよく分かり、耳が痛いです。あ、自分が優秀だといっているのではなく、優秀になろうとしている努力が無駄だらけだということです。

たとえば、時代の変化を生き抜くためには、職場の恥はかき捨てろと説きます。なぜか。本文には次のように書いてあります。

変化の戦略を正しく実行しようと思ったら、人からからかわれたりおべっか使いと謗られることは必至。とりあうな。処世術の目的は友人を作ることではない。出世だ。

これを見て私ははっとしました。確かにいわれる通りなのですが、人間社会で働いている以上なかなかこのように割り切れません。でも、ここまではっきり言われるとむしろすっきりします。

著者のメッセージは別に無能になれということではなく、「無能な人ですらこのように偉くなった。あなたのように優秀な人が同じことを実践すれば結果は火を見るより明らかでしょう」ということなのです。

本書の最後には、これから「無能なエクゼクティブ」がうまく立ち回った方法を実践するためにすぐにできることが書いてあり、それも参考になります。

いままさに「中堅社員」というカテゴリにいると思っている人、これからマネージャの階段を上ろうとしている人、キャリア上昇に躓いている人など、企業で頑張っている人にぜひお勧めしたい本です。

こちらもよく読まれています