PX-M5041Fのスキャン機能をScanSnapと比較してみる

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  • 更新日:2017/03/11
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我が家ではプリンターにPX-M5041Fを使っています。

このプリンターはA3サイズなのですが、実はプリンター機能はA3としてはあまり使っていません。

それより、A3サイズなのが強力なのはスキャン機能です。

今回はこれを、やはり我が家で使っているScanSnapと比較してみます。

なお、我が家のScanSnapは古く、10年前のモデルでS500というものです。最新のものはWiFI対応だったりスキャン速度が若干速かったりしますが、基本的な機能は変わっていないようです。

pc-lady.jpg

スキャン速度

スキャンのスピードですが、これは圧倒的にScanSnapの方が高速です。まず、ScanSnapは両面で読み取りますが、PX-M5041Fはフラットベッドのガラス面ではもちろん、ADFで読み取る時も片面ずつになります。

そのため、ADFで両面スキャンをするときの紙の動きは、

表面スキャン→紙引き込み→裏面スキャン→紙引き込み→表面に戻して排紙

となり、一枚につき3度紙が排出されることになり、大変非効率です。

これはいわゆる複合機は大部分がそのようですね。オフィスで使っているCanonかどこかのお高い複合機も、読み取りは片面ずつでADFが一所懸命用紙をひっくり返しています。

大型用紙の対応

大型の紙については、さすがにPX-M5041Fのほうが優れています。

まず、ScanSnapで対応できる用紙は通常A4までです。A3キャリアシートを使うとA3まで取り込めるのですが、折りたたんで読むために真ん中にどうしても隙間ができます。また、A3両面を読むには、

表面をキャリアシートにセット→表面スキャン→紙を一旦キャリアシートから出して裏面に折る→裏面をキャリアシートにセット→裏面をスキャン

というかなりの手間がかかります。

PX-M5041Fは、前述したようなゆっくりスキャンではありますが、A3両面を一気に読んでくれるので、作業効率は高いです。

さまざまな大きさの紙の対応

紙が様々の大きさになる際、ScanSnapは自動的に紙の大きさに合わせたPDFを作ってくれます。

PX-M5041Fもこの機能(自動切り取り)があるのですが、ADFでは使えず、フラットベッドのガラス面での読み取りに限定されます。その際、どうやらスキャンヘッダが2回読み取りを行う(1度目で大きさを判別して2度目で読み取る)ようで、結構読み取りは遅いです。

さらに、こうして読み取っても、切り取りが行われるのはガラス面の長手方向のみです。短手方向は常に最長(おおよそA4の縦の長さ)になるようです。私の使い方が悪いのかもしれませんが、いつもこうなってしまいます。

さまざまな用紙の対応

いろんな材質や紙のスキャンですが、これはPX-M5041Fのほうが優れています。

というのは、フラットベッドがあるためです。

ScanSnapもペラペラの感熱紙レシートから分厚いカタログの紙までかなり様々な用紙を読んでくれますが、免許証のような硬い紙や、クレジットカードのような曲がらない材質のものは読めません。また、冊子状のものも分解しないと読めません。

PX-M5041Fはフラットベッドスキャナとして使えるので、こういった紙も折り曲げずに読むことができます。

海外に行く際に、いざという時のためにパスポートやクレジットカードなどを並べてA4用紙1枚分にスキャンして携帯するのですが、フラットベッドスキャナを持つPX-M5041Fなら造作もありません。

スキャン品質

どちらも最高画質に設定して写真などをスキャンしたときの品質は、主観もありますがPX-M5041Fのほうが若干いいようです。

とはいえ、それほどの差を感じるわけではありませんし、ScanSnapは10年前のもので既に随分スキャンしている機械なので、あまり公正な比較にはならないので深くは追求しません。そもそも用途のほとんどがドキュメントのスキャンですし。

スキャンしたデータの保管

紙をスキャンしたデータですが、ScanSnapは通常、ホストPCの特定のフォルダに保存します。また、メールで送信することもできます。なお、最近のモデルはWiFiを装備しています。

PX-M5041Fも、スキャンしたデータはUSBに保存したりWiFiで特定のフォルダに保存したりできます。

この点ではどちらもそれほど差がないのですが、PX-M5041FはPC不要でも使えるところはメリットではないでしょうか。我が家の場合は、プリンタのアドレス帳にNASを設定しておき、スキャンしたデータが自動的にネットワーク上の共有フォルダに保存されるようにしています。これはかなり便利です。

その他の使い勝手

その他気づいた細かい使い勝手を挙げます。

ScanSnapもPX-M5041Fも紙詰まりをそれなりに起こします。PX-M5041Fでは、スキャンが何らかの都合で途中で止まってしまうと、それまでの読み取り結果は破棄されてしまいます。折れがあったり読み取りにくい紙をスキャンする際は、一度止まるとやり直しになってしまうので困ります。

ScanSnapは紙詰まりの際に、最後に読み取れたページを画面に表示しつつ用紙の再セットを要求してきます。途中から再開できるのは助かります。

ただし、「用紙を2枚以上喰ってしまう」というトラブルはScanSnapの方が多いです。特にパンフレットなど薄くてツルツルの材質の紙を読んでいると、途中で2枚以上同時に紙送りをしてしまっていてページが抜けてしまうということがあります。こうなると後で発見しにくいやっかいな問題になります。

あと、細かいことですが、PX-M5041FのADFでは、利用可能な紙の大きさが「最大範囲, A5, B5, A4, B4, A3, ハガキ」しか設定できません。例えばレターなどADFにその表示があるのに設定できないのは何とかして欲しいところです。

総合評価

さすがにScanSnapはドキュメントスキャナ専用機だけあってスキャンすることに関してはかなり優秀です。

一方、PX-M5041Fも速度などでScanSnapに劣る部分はありますが、比較してみると機能的にはそれほど差がないと思ったのも確かです。

幸い我が家には両方あるため、次のように使い分けています。

  • A4までの大きさの紙をたくさん読むならScanSnap
  • A3の紙、または硬い材質などScanSnapが苦手とするものを読むならPX-M5041F
  • PCを立ち上げずちょっとスキャンやコピーしたい時にもPX-M5041F

本の自炊など大量のスキャンをする人でなければ、ADFと広大なスキャンエリアを持つPX-M5041Fでも十分期待を裏切らないのではないかと思います。

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