東芝REGZAのDLNAでNAS/SMBから動画を見る方法

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  • 更新日:2015/02/26
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PCを使わないでNASの動画を見たい

Windowsがサーバなら無問題

東芝REGZA Z1で、NASに保存されている動画ファイルをDLNAで再生する方法を調べましたのでメモ。

まず、Windows 7 / 8.1のMedia Playerをサーバにした場合はたいていの動画が問題なく再生されます。これは、Windows Media PlayerがDLNAクライアントに対応して自動でフォーマット変換をしてくれるためです。メディアプレーヤが対応しているフォーマットなら問題ないわけですね。なのでここでは扱いません。

しかし、メディア再生のためにPCをいちいち立ち上げるのは面倒ですし、常時起動しているサーバは非力であまりパワーを別のことに割きたくないため、ルータ(NEC Aterm)に搭載されている簡易NAS機能を使うことにしました。

REGZA Z1の対応範囲は結構狭い

REGZA Z1のWeb上のFAQにはDLNAによる動画の対応フォーマットが以下のように記述されています。

  • 映像: MPEG2(VRフォーマット)
  • 映像に付随する音声: リニアPCM、ドルビーデジタル(AC3)、MPEG1、2 Layer II

MPEG2だろうということで普通にffmpegなどで適当にエンコードしてもうまく動作しません。レグザリンクで拡張子がmpgやmp4などのファイル名は出ますが、再生しようとすると画面に「対応していないフォーマットです」と表示されてしまったり、何も再生されなかったりということがあります。

FFMpegでの変換方法

最低ライン: とにかく見られればよい

そこでネットで調べまくったりオプションを試しまくったりして、結局ffmpegを使う場合は以下のオプションで変換したファイルは再生が可能であることを確認しました。なお、利用したffmpegはZeranoe FFmpeg buildsからダウンロードしたもので、64-bit Staticのビルド番号69672 (リリースは2015年2月9日: ffmpeg-20150210-git-078be09-win64-static.7z)です。普通に最近のものを使えば問題ないと思います。

$ ffmpeg -i <入力ファイル> -f mpegts <出力ファイル(拡張子は.mpg)>

上記の"-f mpegts"が最低ラインのオプションです。ただ、これだと画質がかなり悪くなる場合があるようです。また、元動画のフォーマットによっては動作しないことがあるかもしれません。

画質を良くしたい場合

以下のようにビットレートを指定することにより、画質は改善します。

$ ffmpeg -i <入力ファイル> -f mpegts -b 8192k <出力ファイル(拡張子は.mpg)>

-b 8192kでビットレートを8Mbit/sに設定しています。DVD Videoのビットレートは10.08Mbit/sなので、それに近い値にするわけです。ただし、入力動画のビットレートが悪ければ意味がありません。

カジュアルに見るなら、通常はこれでいいと思います。

とことんこだわる場合

さらに厳密にオプションを指定するなら、以下のような感じになります。

$ ffmpeg -i <入力ファイル> -f mpegts -b 8192k -r 29.97 -ab 128k -vcodec mpeg2video -acodec mp2 -ar 44100 -s 720x480 -aspect 16:9 <出力ファイル(拡張子は.mpg)>

なお、青字の-s 720x480および-aspect 16:9の2種類のオプションは通常のDVDをエンコードするときのサイズおよびアスペクト比指定です。入力動画に合わせて指定してください。

複数の動画を一気に変換

複数のファイルをまとめて変換したければ、シェルスクリプトを使えばいいでしょう。たとえば、カレントディレクトリのすべてのmp4ファイルを変換するなら、以下のような感じでいけます(bashの場合)。

$ for i in *.mp4; do ffmpeg -i "$i" -f mpegts -b 8192k "${i%.mp4}.mpg"; done

最後に

Atermの簡易NASはFAT32までの対応のため、最大ファイルサイズが4GBとなる点には注意が必要です。映画などで4GBを超えてしまう場合 はチャプターでファイルを分割するか、上記の-bオプションでビットレートを下げてファイルサイズを調整する必要があります。

この制限は FAT32によるもので、DLNAとは関係ないため、他のNASでSMB共有(Windowsファイル共有の形式)ができる場合は、NASのフォーマット をNTFSなどにすることで大きなファイルサイズも扱えるので、上の方法のままで4GBを超えても大丈夫なはずです。

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