リタリンについて

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  • 更新日:2015/01/27
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私は抑うつからHypersomnia(過眠症)を併発して、以前は仕事もできずひどい有様でした。 夜はちゃんと寝ているのに、昼間どうしても寝てしまうのです。 昼間寝てしまったりボーっとしている→仕事できない→上司にしかられる→鬱がひどくなる、という悪循環に陥っていきました。 服用するanti-depressantは強くなっても、この症状は改善しませんでした。

その後、引越しに伴い病院を変わったりして調べた結果、原因のひとつは抑うつのために飲んでいた薬にもありました。 Anti-depressantは眠くなる薬なので、(それを知らずに)一日何度かに分けて飲んでいたため、余計眠くなっていたそうです。 特にスルピリド(ドグマチール)が悪いらしく、主治医に「よくそれで起きていられたねぇ」と呆れられてしまいました。

その後、いろいろ精密検査などをしたところ、眠りの質が極めて悪いことがわかりました。 そのため、主治医の厳密な管理の下、リタリンを服用するようになりました。

他の薬も飲み方を工夫(寝る前にまとめて服用する等)して、睡眠と覚醒を薬でコントロールするようにしました。 その効果は絶大で、仕事に集中できるようになり、鬱もだいぶ良くなりました。 それでも昼寝してしまいますが、時と場所をわきまえず寝ていた以前と比べると大改善です。 Anti-depressantにsleep aid、minor tranquillizerと、飲む薬は多くて大変ですが、症状が目に見えて改善したので続けています。

まぁ、逆に切れると大変なので、渡英する際は万全の準備を整えました。 私にとっては「命の薬」といえるくらい必要なものですので。 イギリスには「リタリン」はありませんが、同じ成分の薬はEquasymという名のものが入手可能です。 私の場合、英文のmedical certificateを持参し、普通にGP (General Practitioner, いわゆるホームドクター、主治医)から処方してもらうことができました。

少し前(2007年くらい)から、日本ではリタリンの規制が強化されて、Web上ではリタリンまたは代替薬(コンサータ等)の入手のための情報交換が活発ですが、本当に必要な人とそうでない人が入り混じっているようで、情報入手には細心の注意を要しますね。

2ちゃんねるを検索してみたときは驚きました。 違法な個人販売情報が飛び交っているんですね。 1錠1000円とか1500円とか、アホかと思います。 しかもそんな価格でほしいという人までいる。 そんな金出してまで買っていったいどうしようというのでしょう?? もともと保険適用で30円とか(自治体の精神医療指定を受けるとその1/3)、その程度の薬価なのに...。

こういう活動が、本当に必要な人を窮地に追いやっているのでしょう。

2007年10月のリタリン添付文書改訂では、リタリンの適応から難治性うつ病が除外されました。 それは別にいいのですが、私のように(厳密にはナルコレプシーではないかもしれない)睡眠障害にもちゃんと適応にしてほしいものです。 ナルコレプシー以外の睡眠障害がまだまだマイナーな分野で、専門医も少ないことが原因のようですが...。

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