工人舎PMの使用感

  • 投稿日:
  • 更新日:2015/03/09
  • by
  • カテゴリ:

さて、工人舎PMを使って2週間ほど経ちました。 既にWeb上でいろいろレポートもあるとは思いますが、私の使用感を書いておきます。

Windows XP

PMにはWindows XP Home SP3 ULCPC版がインストールされています。 私自身の使用環境でWindowsに依存しなければならない場面はかなり少ないのですが、それでも「利用するソフトウェアに実質的な制限がない」というのは心理的にかなり楽です。

プロセッサはAtom Z510(1.1GHz)、HT (Hyper Threading)なしですが、通常の利用場面では動作が重いと感じることはそれほどありません。

画面

画面は高精細です。 ムラもなく、品質は悪くないと思います。

タッチパネルの精度も悪くはありませんが、付属ソフトでのキャリブレーションは必要です。

ストレージ

ディスクはSiliconMotionのSM2231というコントローラのもとで、SSD 16GBが実装されています。
ただ、システムリカバリ用に3.42GBほど取られているため、実際にOSで利用可能なのは11.5GBほどです。 私はやっていませんが、リカバリ領域を他に退避すればその分は浮きますね。

ディスクの空き容量は工場出荷時で約6GB。FAT32でフォーマットされています。 FAT32だと、ファイルやフォルダ単位の圧縮が効かないため、私はNTFSに変換しました。

SSDコントローラの仕様はPATAのようですが、SSDモジュール自体の詳細はWindowsからは見えません。
分解していないので分かりませんが、大きさから考えて基盤に直付けされている可能性があります。

Bluetooth

Bluetoothが入っているのは重要なポイントです。 もともとポインティングデバイスがタッチパネルのみなので、マウスを接続したくなります。

このマシンはUSBポートが一つしかありませんし、それもmini-B(mini-Aではない!)ため、通常は変換が必要になります。 Bluetoothがあるため、そのような煩雑さと無縁になります。

あと、LANがワイヤレスのみのため、ホテルなどでケーブルを必要とする環境の場合はそのままではネットに接続できません。

私の場合は、幸いBluetooth内蔵の母艦があったので、それをケーブルでLAN接続し、PMとBluetooth PANを構成し、LANとBlueoothをブリッジすることで普通に接続できました。

バッテリ

バッテリですが、私の標準的な利用形態ではおおよそ5時間くらい持ちます。 ワイヤレスLANやBluetoothはONにして、バックライトは暗めという設定です。

カタログスペックで7時間なので、悪いほうではないと思います。

ただ、バックライトはしばらくすると輝度が勝手に元に戻ってしまいます。 原因は不明です。

また、充電時間は長めです。空の状態からフルチャージまでは電源OFFの状態で4時間くらいかかります。

ネット上にいろいろ情報が上がっていますが、PMにはUSB mini-Bコネクタのほかに、TTA20という規格のコネクタがついています。 どうもこの形のコネクタ(TTA: Telecommunications Technology Association)は韓国固有(?)のようで、私がUKで持っているSamsungの携帯電話もピン数は異なりますが似たようなコネクタが搭載されています。 TTA20ピンアサインを見ると、PM本体付属のイヤホンやマイクのほかに、電源やUSBとしてのピンも含まれています。

そのため、TTA20-USBケーブルを介して他のマシンのクライアントになったり、電源供給をしたりできるようです。
さらに言うと、PMのTTA20ピンが規格どおりの機能をすべて実装しているなら、Remote Power OnやTV Out、UARTなどの機能も使えるということになります。 コネクタが特殊なので手に入るのか微妙ですが、これは試してみたいですね。

キーボード

キーボードは完全なタッチタイプというわけには行きませんが、複数の指(私の場合は両手人差し指と中指)を使って結構高速に入力可能です。

NetWalkerのほうがキーが大きくタイプしやすいのですが、あちらはキーの真ん中をタイプしないと反応しないことがあるという弱点があるので、良し悪しですね。
TabがAの隣にあるのがちょっと特殊ですが、これは慣れでしょう。

私は普段、基本的にASCII(US)配列のキーボードを使うのですが、さすがにこのマシンをUS配列のドライバに入れ替えてしまうと、Fnと組み合わせて 使うキーの種類が多すぎるため訳が分からなくなります。 そのため、このマシンに関してのみはデフォルトのキーで使っています。

唯一、使わないキーが「無変換」だったので、これはこのマシンについていないコンテキストメニューのキーにマッピングして使うようにしました。 タップによる右クリックが少々面倒なので、このバインドは快適です。

問題点

スリープ状態からレジュームするときに時たまハングアップすることがあります。 最初は結構顕著だったのですが、最近は少なくなりました。

チップセットがデュアルモニタ出力をサポートしているのですが、本体には物理的にモニタ出力ポートがありません。 そのため、私はサインはVGA SMARTを購入しました。

これはUSBベースのモニタアダプタなのですが、小型でかつ接続インタフェースがUSB mini-ABとなっており、変換ケーブルなしで本体に直結できます。

起動時にUSBのデバイスドライバのインストールを求められることがありますが、これはUSB Clientアダプタ用のコントローラのようで、C:\KJS\Drivers\USBClientに入っているドライバを入れることによりアラートが出なくなります。

こいつで他のマシンのUSBクライアントとしてストレージアクセスできるようになるらしいのですが、私は今のところ上記のTTA20専用のケーブルがないのでうまくいってません。

microSD カードスロットですが、かなり奥まで挿し込まないとロックされません。 スタイラスを使って押し込んでいる人も多いと思います。 そのため、頻繁に交換する用途には向いていません。 むしろ、本体のストレージ容量の少なさをカバーするため、データ領域として半固定的に使っています。

私の場合、少々パフォーマンスは犠牲になりますが、テンポラリやブラウザのキャッシュ領域などもmicroSD側にアサインすることにより、容量不足とSSD書き換え回数の制限の不安を緩和しています。

いまのところ、大体こんなところでしょうか。 細かい不具合はありますが、全体としてはかなり満足しています。

こちらもよく読まれています