過去への回帰 - キーボード一体型PC

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  • 更新日:2015/03/09
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「キーボード型というコンパクトな形状と実用性を兼ね備えた非常に興味深いモデル」

はぁ? 何がそんなに珍しいの?

話はこちら。 キーボード型のパソコン Eee Keyoboardが近いうちに発売されるそうです。

まぁ、 このブログを読まれる方は知っている方も多いでしょうね。 今や既に過去の彼方に飛び去ってしまいましたが、キーボード一体型のパソコンは1980年代の8ビットパソコン全盛期はきわめてスタンダードでした。 NEC PC-6001/8001、Fujitsu FM-7/8、シャープMZ-700/1500と、挙げれば枚挙に暇がありません。 当然日本製だけでなく、一世を風靡したApple IIやCommodore 64、Sinclair Spectrumなども一体型です。

分離型になっているのは、一部の上位モデルのみ。 PC-8801やX1などが該当するでしょう。 当時は分離型が高級に見えたものです。

正 確な理由は知りませんが、次のようなことでしょう。 キーボードを分離すると、キーボードマトリクスをケーブルとして本体に直結するのは厳しくなります。 結線が多すぎるのと、距離を長くすると信号が不安定になるためです。 そのため、キーボード側で処理をして結線量を減らすわけですが、するとそちらにも制御機構(一種のCPU)が必要になってしまい、価格を押し上げる要因に なってしまいます。 また、金型も独立に必要になります。

16ビットパソコン、日本ではPC-9801、海外ではIBM-PCの時代になっ てキーボードを分離するのが主流になりました。 理由は主に、拡張するためのスロットのためのスペースを確保する必要があったためでしょう。 一体型でキートップの高さが10cm、とかでは使いにくいこと請け合いですからね。

それでも、一体型のまま拡張スロットを持つ機種も多くあ りました。 メモリスロット(FM-7/8のバブルメモリ、PASOPIA 7、MSXなど多くの機種)が代表的なところです。 変わったところでは、EPSON HC-20のカセットやプリンタ拡張なんかもその一種かもしれません。 16ビット時代でも、EPSONのPC-9801互換機であるPC-CLUB(PC-286C)が、PC-9801互換の拡張スロット(C BUS)を一つではありますが持っていました。

現在、PCの形も多様になりましたが(アーキテクチャはバラエティが ありませんが)、キーボード一体型はラップトップを除いて忘れ去られていたみたいですね。 拡張性を犠牲にして小型化する手法も、液晶一体型など一般的に支持されてますから、キーボード一体型もなんら不思議はないのですが。 何せ、engadgetでは"oddball"とまで表現されています。

「昔のパソコンというのはキーボードが本体と一体化しててね...」

そんな話が本当に語られてしまう時代が来てしまったようです。

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