まだ新規開発されるニュータウン、その40年後を占う

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  • 更新日:2016/09/28
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かつて隆盛を誇った街が、高齢化に伴いだんだんさびれているところが出てきました。

よく聞くところでは、多摩ニュータウンがあります。

たとえば聖蹟桜ヶ丘。駅の周辺はにぎわっているが、小高い丘の上にある住宅地はどうでしょうか。高齢化に伴い住民の収入が落ちることにより駅との行き来もしにくくなり、売ろうにも建築協定により最低面積が決められているので分筆もできない、という状況になっているところもあるようです。

その点では、田園調布など、高級住宅街として知られた町も事情はそんなに変わりません。広い敷地にかかる固定資産税は重く、豪邸の売却をしようにも高すぎて買い手がつきません。 やはり建築協定がありある程度以下の面積には分筆できないため、どうしても一般人に買える値段ではなくなってしまいます。

住宅価格にも影響が

多摩ニュータウンに戻ると、たとえば多摩センターなど古くから開発された町の駅から徒歩15分程度以上かかるエリアは、人口が減少しているようです。

たとえば多摩センターから多摩モノレールに乗り換えて、一駅の松が谷駅。多摩センターから徒歩でも10分強で行けるエリアですが、この駅は利用者増減率(利用者数ではない、もともと利用者は1日3,000人もいない)でもワースト50に入っています。周辺はいわゆる団地・マンションの地域ですが、築40年ほども経過していることも相まって、マンションなら1,000万円以下の物件が多くなっています。住宅情報サイトを見ていると、それでも動きが弱いです。

先日、多摩モノレールに乗る機会がありましたが、途中駅から乗ってくるのはお年寄りばかりでした。自家用車の文化圏なので、交通弱者に対してモノレールがあるのは大変良いことだと思いますが、街の高齢化を感じました。

聖蹟桜ヶ丘も多摩センターも開発初期からだいたい40年が経過しています。当時30代でマイホームを購入した人も今は70代。代替わりが起こる時期ですが、実際にはあれからバブルは弾け、人口増加はストップし、都心への回帰現象も一部では起こっています。手放したくてもかなり値下げしないと売れないのが実態です。

不動産広告を見ていると、特に駅から離れた場所にある土地付き一戸建てが厳しいです。ある程度価格が高く、かつ土地を分筆して安くできない建築協定のある地域だと余計です。多摩地域には中央線と京王線の間、京王線と小田急線の間、小田急線と東急線の間など鉄道空白地帯が多く、そのような場所は比較的安い値段で一戸建てを買うことができます。それでも50坪もあれば4,000万円以上が普通ですので、安い買い物ではありません。

昔は駅から離れたこのような地域も住宅地向けの商店街があり、それなりに賑わっていたところも多いのですが、いまは多くが廃業し、シャッター通りになってしまったところも多いです。たとえば町田市の鶴川団地や境川団地などに例が見られます(これらの団地が悪いところという意味ではなく)。

多くの地域ではバスが走っていますが、それでも車がないと生活は不便です。

nagamine.jpg稲城市長峰の住宅群
By Wikipedia / Konaine

「これからのニュータウン」は大丈夫?

最近、多摩ニュータウンエリア最後の大規模開発として、京王相模原線稲城駅(東京都稲城市)の南側に、南山東部土地区画整理事業として大規模な宅地開発が行われています。その面積は約87ヘクタール、事業規模は400億円超。2022年までの開発が予定されています。

長らく工事をしていましたが、既に一部分譲が始まり、新しい小学校(稲城市立南山小学校)も2015年4月に開校しました。大規模なマンションや、スーパー(ヤオコー)もオープンし、活気が出てきています。

今ここに新しい住居を構えたとして、40年後どうなるのかが気になるところです。

未来はだれにもわかりませんが、既に起こっている多摩センターやそのほかのニュータウンの老化現象を見ると、同じことが起きぬよう願わずにはいられません。