悪徳業者に騙されない水漏れ修理実体験談

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  • 更新日:2015/02/28
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水漏れが起きた!

トイレが水漏れを起こしました。上水側で、かつ流さない限り漏れないのですが、修理しないわけにはいきません。自分でやろうかと見てみたのですが、手持ちの工具では歯が立ちそうにありませんでした。

そこでGoogleで「水漏れ」などのキーワードで検索すると、「24時間対応」「格安」「(自分の住んでいる地域、町名)」などの言葉が躍っています。

ところが、Googleの検索結果で上位に表示される業者のほとんどは消費者目線で言えば悪徳業者と言っていいと思います。私も知らなかったので、実際電話をかけてみました。

私「トイレが水漏れを起こしているんですが、直せますか?」
業者「直せますよ」
私「これこれこういう症状なのですが、大体いくらくらいかかるものなのですか?」
業者「それは見ないとわかりませんね」
私「Webページには2000円(業者によって違う)とか書いてありますよね」
業者「それは見積もりに行くときの出張費です。そこで実際見ていくらかかるか見積もります」
私「ということは、見積もりの結果もし修理をしない場合でもその料金はかかるということですか」
業者「そうです」
私「でも、仮にパッキン交換程度だった場合の修理代とかの目安はないのですか」
業者「見ないとわかりませんね」

この手の業者の特徴なのかもしれませんが、絶対に値段を言いません。で、Web上であちこちに出ている口コミを見ると、訪問してから不安を煽り、不要な工事をし、高額の請求をする、というのがパターンのようです。口コミを見ていると、正直何を信じたらいいのか分からなくなります。

業者のページに自分の住んでいる町名が乗っているからと言って安心してはいけません。この手の業者はたいてい全国展開していて、提携している地元の下請け業者に出来高制で仕事を頼んでいるそうです。パッキン交換程度で済む修理に、トイレ全体の入れ替えをされて20万円の請求が来た、などという話も聞きます。

こうなると「格安」「激安」などという宣伝文句に踊らされている場合ではありません。どうすれば業者にボられずカモられず「フェアな費用」で修理ができるのか頭を抱えていたのですが、以下はそれを私なりにどう料理したかの経験談です。つい最近(2015年)の実例です。

騙されないために

まず、検索で業者を見つけたら、業者の住所をチェックし ましょう。載ってなかったら要注意。会社概要などよくチェックしましょう。たとえばあなたが東京都世田谷区に住んでいるとします。でも本社が大阪とか、全 然違うところにあったりします。こういう会社は避けた方が無難です。あと、CMとかで名前を良く聞くような会社も、大手だからと言って前述の理由(結局作 業するのは下請け、マージンが取られるのか価格レベルがそもそも高い)安心できません。

次に、例えば「水漏れ修理 世田谷区」などで検索をしてヒットしたサイトを見たとします。すると、「対応地域」として世田谷区のすべての町名が記載されていたりします。こういうところも要注意。地域名で検索する人向けのSEO (検索エンジン最適化)の可能性があります。

間違いが少ないのは本当の意味での「地元」の業者です。ただ、これを探すのが結構難しいのです。まずGoogleで探すのはやめましょう。

タウンページのサイトを 使って探すと、地元で昔からやっている業者もヒットするので、そういう業者のWebページ(業者自身がWebページを持っていない場合、タウンページ内に 情報があります)をよくチェックして電話をかけてみるのもいいでしょう。大体横文字が少なく、いかにも古くからありそうな「○○建設」「○○工業」「○○ 設備」みたいな名前の業者ほうが安全性が高そうです。しかし、まず電話番号が0120しかなかったり地域外(自分の住んでいる場所の市外局番じゃない) だったりしたら怪しいと思った方がいいです。また、一つのキーワードで検索して同じ名前でたくさん出てくる業者も避けた方がいいです。タウンページにも SEOがはびこっています。

私はどうしたか

まず、タウンページで地元の業者を見つけました。40年前からやっている地域の水道屋さんです。こういう業者は自分のWebページを持ってなかったりします。むしろそういう風な雰囲気が安心感があります。タウンページで見た番号に電話を掛けました。

いかにも地元で昔から工事屋やってます、という感じのおっちゃんが電話に出て、症状を伝えたところ、

「そうですねぇ、細かいところは見ないとわかりませんが、パッキン交換程度で済むようなら全部入れて6,000円、1万円を超えることはないでしょう」

と、はっきりと目安を伝えてきました。まずは安心できます。

しかし、私の結論はここではありませんでした。

水道修理を業者に頼む裏技

私が最終的に選んだのは「東京ガス ライフバル」です。ガス屋? という不思議な感じがしますね。この東京ガスライフバルというのは、東京ガスの地域サービス窓口で、ガスの契約で開栓や閉栓をする時に来てくれる業者さんです。要は東京ガスの地域代理店ですね。

店舗によって違いはありますが、このライフバル、ガスの開栓・閉栓のみが業務ではありません。

たとえば、先ほどの世田谷の例で、東京ガスライフバル西世田谷店の業務案内をよくよく見てみましょう。

「総合設備事業」として、以下のように書いてあります。

住宅や店舗、オフィスビルや公共物件などの新設や増改築に伴い、ガス設備工事、給排水設備工事・空調設備機器などの設計から施工・メンテナンスを提供しています。

つまり水回りの工事をやってくれる、ということです。しかも親会社(厳密に言うと大株主)は東京ガス。滅多なことはできませんし、料金も明朗です。

私の場合、パッキン交換では済まず、部品交換でした。最初に来ていただいたときに不具合を調査し、パッキン交換では無理なことが判明したのですが、部品がなかったのでその際の出張費用は無料!

また、きちんと説明を受け、なぜこの部品の交換が必要なのかなどすべて納得した状態で工事をしていただきました。部品を調達してもらい、2度目に実際に工事に来た際に1回分の出張料、工賃、そして部品代を支払いました。

結局いくらかかったのかというと、「バキュームブレーカー」という部品交換で11,500円。これは合計額で、内訳は以下のとおりです。

  • 出張費が2,160円
  • 工賃が4,320円
  • 残りが部品代で約5,000円

部 品代は定価でしたが、自分ではどの部品を交換すべきなのか、どの品番が対応するかなどまったく分からなかったので、その分の調査費も入っていると思えばあ る程度は仕方がないですね。工事後はちゃんと漏れがないかチェックしていただきました。実は別の場所も若干の漏水があったのですが、そこはパッキンも劣化 しておらずグリス(後述)で対処できるということで、無料で対処していただきました。

同じ工事をGoogle上位の業者に頼むといくらかかったのか、それは今となっては知る由もありませんが、安心、納得できる内容と価格だったということが非常に大きいです。

ぜひ、最寄りの営業所をこちらから探してみてください。東京ガスの区域外の場合は、例えば大阪なら大阪ガスサービスショップというのがあります。大阪ガスのサービスショップも調べると水漏れ修理を扱っているところがあります(たとえば北大阪とか)。プロパンの地域の場合、そのプロパンを扱っている会社が水回りの工事を扱っていることもありますので、調べてみてください。

ひとつデメリットを挙げておくと、これら地元の業者や東京ガス系の店は一般に365日24時間対応ではありません(場 所にもよりますが)。即日対応、週末対応するところはありますが、予約の空き次第ということになります。私の場合、最初に電話したら「すぐ行けますので行 きましょうか?」と言われ、逆に出勤中で対応できなかったため、初回は夕方にやってもらい、その後部品入荷後の工事は双方の都合で翌週の土曜日でした。漏 水が続いていて一刻を争うような状況だと対応してもらうのは難しいこともあるかもしれません。

自分で修理したい、自分である程度費用を見積もりたい場合

私 も最初は自分でやろうとしましたので、一回頼んでしまうとある程度プロセスが分かってきました。同じことが再度起きたら自分で調べてできるかもしれませ ん。また、直すのは無理でも、調査くらいはできるので交渉力がつきそうです。このために目安になる工具や器具は以下のとおりです。

まず、漏水の場所にもよりますが、モンキーレンチでは回りません。私の事例では、持っている最大のモンキーレンチでも全然口の大きさが足りず、モーターレンチが必要でした。とは言っても今回は買わずに業者さんにお任せしましたが。

こ の2者は口の開きが違います。私が使っていたものもそうですが、普通のモンキーレンチは開口35㎜程度、上のモーターレンチはその倍以上(75mm)開き ますので、水栓に使われるような大きなナットも回せます。値段は様々ですが、上のものなど1,000円台から普通にあります。なお、水栓を外す場合は必ず 水道の元栓を閉めてくださいね。

パッキンやOリングといった水漏れを防ぐゴム製品は一般的なタイプであればホームセンターにも売っているので、漏水個所を外したうえで大きさを計測し、同じタイプを探すことになります。

あと、状況次第ですが防水グリスでも修理可能です。 水栓シリコングリスという製品があり、これをパッキンに塗布することにより劣化が進んでいないパッキンであれば水漏れを止めることができます。

バ キュームブレーカーも市販されています。これはトイレの型番に合ったものが必要なので、それを調べてから購入する必要があります。うちのフラッシュバルブ (TOTO TV150N)に対応するバキュームブレーカーはTV1Nだったようです。もっとも、このあたりはWebでもほとんど情報がなく、直接メーカに問い合わせ る必要があるでしょう。

私の場合はうまく業者さんを見つけられたのでお願いしてしまいましたが、工具を持っているなら、自分である程度状況を調べて、手には負えないと判断してからお願いするという手もあるかもしれませんね。

では、くれぐれも悪徳業者には騙されませんよう...。

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