Tiny Core Linuxでサーバ運用(3) - 電子メール環境

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  • 更新日:2015/03/08
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電子メールサーバのインストール

電子メールについては、これまで長くFedora上にPostfix + Courier-IMAPという構成で使ってきました。 Tiny Coreで調べてみたところ、Postfixは普通にTCZパッケージとしてありますが、Courier-IMAPはありません。 実は、私はFedoraでもCourier-IMAPをrpmビルドして使っていました。

最近、Courier-IMAPに代わって互換性のあるDovecotというIMAPサーバがあり、TCZパッケージとして用意されているので、こちらを使うことにしました。

Postfixのインストール

Postfixのインストールはシンプルで、tce-load(またはAppBrowserでインストール)するだけですが、少し設定が必要です。

% tce-load -wi postfix

まず、/usrl/local/etc/postfix/main.cfを編集します。 デフォルトのファイルに対し、以下のような変数を修正しました。

myhostname = (メールサーバのホスト名)
mydomain = (ドメイン名)
myorigin = $mydomain
inet_interfaces = (allまたは必要に応じて)
mydestination = (必要なあて先を設定)
mynetworks_style = subnet
mynetworks = 自分のネットワークのセグメント
alias_maps = hash:/usr/local/etc/postfix/aliases
home_mailbox = Maildir/

以上が基本的な設定です。 このほか、以前使っていたセキュリティファイル(smtp.pem, server.key)を/usr/local/etc/postfixにコピーし、そのためのエントリを追加しておきます。

smtpd_tls_cer_file = /usr/local/etc/postfix/smtp.pem
smtpd_tls_key_file = /usr/local/etc/postfix/server.key
smtpd_use_tls = yes
smtpd_tls_session_cache_database = キャッシュをおくファイル(/var等に設定)

そのほか必要に応じSSL等の設定もしますが、上記でも動作します。

必要なファイルをバックアップするために、エントリを/opt/.filetool.lstに追加しておきます。

/usr/local/etc/postfix/main.cf
/usr/local/etc/postfix/server.key
/usr/local/etc/postfix/smtp.pem
/usr/local/etc/postfix/aliases

最後に、ブート時にサーバを起動させるために、/opt/bootlocal.shを修正します。

% sudo su
% echo "/usr/local/etc/init.d/postfix start" >> /opt/bootlocal.sh

Dovecotのインストール

次に、IMAPサーバの設定をします。 インストールには、dovecotとともに、設定ファイルの格納されているdocecot-docも入れます。

% tce-load -wi dovecot
% tce-load -wi dovecot-doc

設定ファイルのサンプルは/usr/local/share/doc /dovecot/example-config/dovecot.confにあるので、これを/usr/local/etc/dovecot /dovecot.confにコピーし、編集します。 そのままでも動作はしますが、私はIMAPのみ使い、POPなどは使わないので、protocolの修正をします。 また、IPv6は使わないので、listenも修正します。

protocols = imap # popおよびlmtpを削除
listen = *       # "::"はIPv6用なので、削除

また、以前使っていたサーバからpemファイルをコピーし、/usr/local/etc/dovecot/dovecot.pemに置くとともに、関連する設定ファイルを修正します。

% cd /tmp/tcloop/dovecot-doc/usr/local/share/doc/dovecot/example-config/conf.d/
% cp 10-mail.conf /usr/local/etc/dovecot/conf.d
(コピー後、
 mail-location = maildir:~/Maildir
 とする)
% cp 10-ssl.conf /usr/local/etc/dovecot/conf.d
(コピー後、
 ssl_cert = </usr/local/etc/dovecot/dovecot.pem
 ssl_key = </usr/local/etc/dovecot/dovecot.pem
 とする)
% cp auth-system.conf.ext /usr/local/etc/dovecot/conf.d
(コピー後、
 driver = shadow
 とする。ログインユーザのパスワードを使うため)

続いて、必要なファイルをバックアップリスト(/opt/.filetool.lst)に入れます。

usr/local/etc/dovecot/dovecot.conf
usr/local/etc/dovecot/dovecot.pem
usr/local/etc/dovecot/conf.d

ブート時にdovecotを起動するようにし、忘れずにバックアップを取ります。

% sudo su
% echo "/usr/local/sbin/dovecot" >> /opt/bootlocal.sh
% exit
% filetool.sh -b

ここまできたら、postfixとdovecotを手動で起動させるか、リブートしてメールの送受信を確認します。 エラーが出るようなら/var/log/messagesを見ながら設定を確認します。

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