Tiny Core Linux (6) - デジタルフォトフレームの作成

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  • 更新日:2015/03/08
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(Initially posted on 16 April 2011)

これまでの流れ

さて、HDD(SSD)へのインストールも終わりました。 いよいよ必要なパッケージをインストールして、デジタルフォトフレームとしてスライドショーができるようにします。

スライドショーのためのソフト選定

スライドショーをするためのソフトの条件ですが、以下のようになります。

  • フルスクリーンで表示できること
  • スライドショーの機能(複数のファイルを次々に表示する)があること
  • これらを自動起動するため、上記をコマンドラインで指定できること

Tiny Core Linuxのパッケージで、画像を表示するためのプログラムで最も軽いのはおそらくflpicseeです。 これはtczファイルの状態で16kBしかありません。 しかも、スライドショーができます。 しかし、コマンドラインでスライドショーの指定ができないので、デジタルフォトフレームとしての「電源を入れたら写真を表示」が実現できません。

そ のため、いくつかのソフトを調べてみました。 まず思いつくのはeog (Eye of Gnome)です。 多くの(GNOMEベースの)ディストリビューションで標準の画像ビューアになっており、スライドショーもコマンドラインで指定できます。 Tiny Coreのパッケージにもあるのですが、Gnomeベースであることもあり、とても重いのがしょんぼりです。

せっかく軽いOSを入れているのですし、単に画像を表示するだけで余計な機能はいらないので、なるべく軽いアプリケーションがよいわけです。

そこで目をつけたのがGQViewというアプリケーションです。 GQViewについては、Tiny Coreにはバージョン1と2の2種類のパッケージが提供されていますが、バージョン1はgtk1ベースで軽そうです。

容量を調べてみました。

% tce-size eog
  atk.tcz                                       53248,   0.05 MB
  bzip2-lib.tcz                                 28672,   0.03 MB
  cairo.tcz                                    512000,   0.49 MB
  dbus-glib.tcz                                106496,   0.10 MB
  dbus.tcz                                     315392,   0.30 MB
  eog.tcz                                      503808,   0.48 MB
  expat2.tcz                                    77824,   0.07 MB
  fontconfig.tcz                               135168,   0.13 MB
  GConf.tcz                                    233472,   0.22 MB
  gdk-pixbuf2.tcz                              221184,   0.21 MB
  glib2.tcz                                   1273856,   1.21 MB
  graphics-libs-1.tcz                          790528,   0.75 MB
  gtk2.tcz                                    3088384,   2.95 MB
  hicolor-icon-theme.tcz                         8192,   0.01 MB
  libcroco.tcz                                 233472,   0.22 MB
  libexempi.tcz                                413696,   0.39 MB
  libexif.tcz                                  147456,   0.14 MB
  libgnome-desktop.tcz                          77824,   0.07 MB
  libgsf.tcz                                   126976,   0.12 MB
  libIDL.tcz                                   163840,   0.16 MB
  librsvg.tcz                                  139264,   0.13 MB
  libstartup-notification.tcz                   16384,   0.02 MB
  libxcb-util.tcz                               36864,   0.04 MB
  libxcb.tcz                                   110592,   0.11 MB
  libxft.tcz                                    45056,   0.04 MB
  libxml2.tcz                                  696320,   0.66 MB
  openssl-0.9.8.tcz                           2093056,   2.00 MB
  ORBit2.tcz                                   241664,   0.23 MB
  pango.tcz                                    405504,   0.39 MB
  pixman.tcz                                   237568,   0.23 MB
  python.tcz                                  5836800,   5.57 MB
  shared-mime-info.tcz                         434176,   0.41 MB
  sqlite3.tcz                                  319488,   0.30 MB
  tcl.tcz                                     1482752,   1.41 MB
  tk.tcz                                       925696,   0.88 MB
  Xorg-7.5-lib.tcz                             221184,   0.21 MB

  Total size (bytes)                         21753856,  20.75 MB
+ Indicates need to download                        0,   0.00 MB
% tce-size gqview1
  gdk-pixbuf.tcz                               155648,   0.15 MB
  glib1.tcz                                     81920,   0.08 MB
  gqview1.tcz                                  249856,   0.24 MB
  graphics-libs-1.tcz                          790528,   0.75 MB
  gtk1.tcz                                     733184,   0.70 MB

  Total size (bytes)                          2011136,   1.92 MB
+ Indicates need to download                        0,   0.00 MB

tczパッケージのサイズ合計で、Eye of Gnomeは20.75MB、GQView1は1.92MBです。 10倍も違います。

GQView1のインストール

というわけで、GQView1をインストールします(上記のtce-sizeの表示は既にインストールされた状態でのものなので、ダウンロード必要量が0になっています)。

% tce-load -wi gqview1

また、自動起動するために、.xsessionの最後に以下を追加します。

mount /mnt/hda2
gqview1 -f -s -t /mnt/hda2/Photos/*

mountを行っているのは、私の環境で画像ファイルを Windows領域(hda2)に入れているためです。 gqview1のオプションは、-f (フルスクリーン)、-s (スライドショー)、-t (ツールウィンドウを表示しない)となります。 編集したら、filetool.sh -bでバックアップを忘れずに。

起動時間計測

これで起動時間を計測してみました。 grubのメニューから、最初の画像が表示されるまでは約28秒です。 電源を入れてからgrubの待ち時間(3秒)も入れた、トータルの起動時間は約40秒となりました。 もちろん、起動後はちゃんとスライドショーしています。

メ モリ使用量ですが、高速化のためにパッケージをすべてメモリ展開する設定で、スライドショー実行中にfree -mで見た数値はused 98MB、free 87MBでした。 私のマシンはRAMを最大の192MB積んでいますが、これなら128MBの設定でもいけますね。

もっ といえば、tinycore.gzや必要なパッケージをあらかじめ展開した状態でHDDにインストールする方法もあります。 こうすれば起動時の圧縮ファイルの読み込みと展開がなくなるので、さらに高速化することが期待できます。 ただ、そうなると細かいファイルがあちこちに散らばることになり、管理やアップデートが面倒になりますし、起動時にこれらのファイルをたくさん読み込むの で、逆に遅くなる可能性もないとはいえません。 また、この方法はTiny Coreの配布元でも推奨されていません。 そのため、今のところは圧縮されたままにしてあります。

なお、最終的に私の環境における/mnt/hda2/tce/onboot.lstの内容は以下のとおりとなります。

Xorg-7.5.tcz
gqview1.tcz

Tiny CoreにはXorg-7.4もあるのですが、tce-sizeで見たところ、Xorg-7.5の14.28MBに対して、25.95MBもあるので意味 がありません。 本当はXvesa等のTinyXが動けばもっと小さくなるのかもしれません。 TinyXにはTrident系グラフィックチップ用のXtridentというサーバもあるので試してみましたが、Dynabook SS 3410のCyber 9525には対応していないのか、うまくいきませんでした。 残念...。

ともあれ、これで「古いノート(Dynabook, メモリ192MB)にTiny Core Linuxを入れてデジタルフォトフレームにしよう」は一応完成です。 お疲れさま~。

と、思ったのですが、さらに軽量なイメージビューアであるFehを発見。 そして最適化への欲望が沸々と...続きます

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