1.8インチPATA SSDは自作可能か?

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  • 更新日:2015/03/08
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以前出たような複数カードのストライピングで高速化&1.8インチ SSD化できないものか、ちょっと思考実験してみましょう。


サイズと容量について

現時点で、100円ショップでも売ることが可能な格安のmicro SDカードがあります。 こいつを10枚でも20枚でも使ってストライピングできないものでしょうか?

サイズ的には、1.8インチHDD/SSDの体積は

8.0 x 54.0 x 78.5 = 33,912mm3
  

となります(東芝製MK8007GAHデータシートより)。

一方、micro SDカードのサイズは、

11.0 x 15.0 x 1.0 = 165mm3
  

となります。

物理配置や基板、配線等を無視すれば、1.8インチHDD/SSDのスペース内にmicro SDは200個以上入ることになります。

実際にはソケットに入れる必要があるでしょう。 こちらの製品例では、ソケットの外形寸法は

13.7 x 15.3 x 1.4 = 293.454mm3
  

です。また、プッシュプル方式ではないですが、こちらのアダプタ

12.6 x 14.5 x 1.5 = 274.050mm3
  

と、さらに小さくなっています。

計算だけだとこれでもHDD/SSDに100個以上の体積を収められますが、現実的には無理でしょう。

実際には、最大限でもこんな感じじゃないかな?

20081213-MicroSD.png

縮尺はあわせてあります。 緑色のが基板部分で、斜め線のがmicroSDカードスロットです。 厚さを考えると裏側にも同じだけ装備できるので、計24枚入ります。

これで、2GBのmicroSDを使えば48GB。 メディア代がおよそ2,500円。 安い~!


マイコンは使えるか?

次はこれのコントローラです。

趣味の電子工作の範囲だと、SDカードの入出力は簡単に可能で、もっぱらストレージの主流ですね。 ただ、電子工作ではプログラムが簡単なSPIモードを使うため、SDカード側のクロック制限はおおよそ25MHz(約3MB/sec)となります。

また、AVRを使うとすると、最大周波数は20MHz、SPI入出力ではその半分のクロックが最大供給クロックなので、結局10MHzです。 すると、ビット単位の入出力なので1.25MB/secとなり、あまり高速ではありませんね。 PICの場合も最大動作周波数は20MHzのようなので、似たり寄ったりです。

でも、超小型のATtinyあたりを16個並列動作させて、1ビットごとに分散させればスピードも16倍(パラレルATAの信号は16ビット幅)。 これでやっと20MB/secだ~。

どうも、これらの簡単マイコンを使うソリューションはあまりうまくないですね。


もっと高性能なコントローラ?

組み込みCPUは非常に多種のものがあり、ハイパワーなものから小消費電力なものまで千差万別です。

でも、一般的に上記のマイコンよりはかなり高速であり、数100MHz程度のものも珍しくありません。 SHシリーズなんか結構いいかも? これなら、ストライピングしたSDカードを十分ドライブできそうです。


というわけで、技術的には十分可能そうではあります。 さて、誰か作ってくれないかなぁ??


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